my expo

新宿で働くIT系プロダクトマネージャーが語る会社員の働き方・生き方

チームワークと組織論は切り離せない

ITの業界で働いて早12年というところですが、仕事のひとつひとつが高度に専門化されていると思います。

私はこの12年間で、営業をやったり、製品戦略を描いたり、プロダクトマネジメントをやったり、事業開発をやったり、、、と色々と経験をさせてもらいました。

それでも、物作りのためのコードは書けないし、会計は大学のころに学習して以来すっかり忘れているし、生産管理は概要くらいしか理解できないし、細かく言えば、家庭のIT環境のことはわかっても、企業のIT環境を細かく体系的に理解しているわけではないです。

でもそりゃそうです。全てのことを理解しているスーパーマンはこの世にいないわけです。

世の中、自分ができることや知っていることよりも、できないことや知らないことの方が多い、、これは一生を終えるまで変わらないでしょうねー。

だからこそ、企業でひとつの目的を達成するためには「チームワーク」が必要なんですね。

この「チームワーク」に関連してなのですが、普段様々な方と会話をする中で、その意味がきちんと理解されていないな、、と思うシーンがいくつかあります。いや、正確に言うと「頭では理解しているが、発言や行動が即していない」というのが正しいでしょうか。

まずそもそも、「チームワーク」という言葉の定義です。

明確に「これ」と共通認識が書かれたものを見つけることはできませんでしたが、各種文献などである程度共通して使われている単語が以下です。

 ・役割分担

 ・協働

 ・連携

つまり、私の解釈においては「一人で成し遂げられないことを、それぞれの分野ごとに分かれることによって、必要要素を十分に掘り下げ、組み合わせることで達成する」と理解しています。

あえて堅苦しく書きましたが、逆に言うと、一つの目的に対してみんなが同じことをやっていてはいけない、やる必要がないってことです。自分の役割と持ち味を発揮し、それぞれが目標を達成することで、チームの目的を実現するということですね。

これをひとつの考え方として正しいと仮定した時に、「なぜ問題になるのか」に疑問を覚えるシーンが時々あります。まず代表的なものに「隣のチームが何をしているかよくわからない」ということ。これの何が問題なのでしょう?

企業は「事業部別」や「機能別」、あるいは機能をまたぐプロジェクトで構成する「マトリックス型」など、組織が効率良く動けるように設計されています。言い換えると、組織はそれぞれのチームが何をしているのかわからなくても、それぞれのミッションを達成すれば目的が達成できるように組まれているはずです。すなわち、チームワークを構造として表現したものです。

もちろん、私が担っているプロダクトマネジメントという仕事は、企業のエコシステム全体を最適化していかなければならないので、どこの部署が何に向かって活動をしているかの把握は必要です。でもその人が具体的に何をやっているのかまでは知る必要がありません。

普段仕事で関わりが少ないので、必然的にそのような状況になりますが、だからといって自分がミッションを達成していくにあたって障壁になるようなことはありません。

つまり、これは本来問題でもなんでもないのですが、よく聞く話で「隣のチームがやっていることもわからない会社ではイノベーションは生まれない。もっとシナジーを生む環境が必要だ。」なんていう、もっともらしい適当なことを言って、月に1回など「情報共有」という不毛な全体会議が組まれたりします。

会議がひとつ生まれると登壇する人はそれに向けて準備をしなければなりません。準備は資料ひとつ作れば良いという話ではなく、事前に上司に見せたりなど、会議の時間以上にみんなの時間を奪います。これが社員の生産性とモチベーションを下げていくひとつの要因なわけです。

そもそも組織構造として、余計な情報を知ったり、わからなくても効率良く動けるように「機能別」などになっているわけだから、任せておけば会社は成長するはずなのに、それを任せておけないのか、あるいは暇なのか、そういうことを始めてしまうわけです。

組織を割るということは、横串の情報流通はTrade-Offになります。Trade-Off、すなわち「片方をとると片方は取れない」ということです。それを両方求めようとするから、おかしなことになるのです。

このあたりをちゃんとやっていない会社が多いんだなあということを感じること、ありませんか?

「チームワーク」、日本人は下手なんですかね。