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新宿で働くIT系プロダクトマネージャーが語る会社員の働き方・生き方

プロジェクトはリスクが前提

若手の部下メンバーのAさんにプロジェクトをひとつお願いしていたんです。

ある日に、想定していなかった問題が発生し、プロジェクトが計画通りいかないことが見通されることになりました。プロジェクト納期も残り1週間というところで、問題解決のためには2週間程度かかるという事態です。

 

Aさんはとても悔しそうにしていました。

実際に発生した問題は想定しようと思えば想定できたかもしれませんが、少なくとも私と二人で事前に計画を立てていた段階ではあげられなかったリスクでした。そういう意味では次回以降に向けた反省点はありますが、今の時点ではそこが限界だったと認めざるを得ないと私は感じていました。

 

Aさんは想定通りに進まなかったことに対して苛立ちを募らせたようで、感情が少し負の方向に行ってしまい、再計画に手がつかない様子。

話をしているうちに気づいたのですが、「発生してしまったこと」にずっと引きずられているようでした。「プロジェクトに想定外はつきもの」という前提がまだ身についておらず、「発生したことはそれはそれとして、次どうするか」に切り替えられないようでした。

 

何か問題が発生した時、まずやるべきは「火消し」です。

私も若い時は、何か問題が発生した際にはまず「なぜこの問題が発生してしまったんだろう」、「構造的に何か問題があったのではないか」という点を考えたり指摘したりすることが大事だと思っていました。

それは悪いことでは決してないです。構造思考は大事で、次回以降の反省には大いに役立ちますのでむしろ必要なことです。ですが、今目の前で発生している問題をまず片付けないことには、そんなことを考えていても前に進めません。火事が起きてしまったときに、避難もせず、消防を呼ばずに、「もう寝タバコなんてやめよう」と考えているだけの状態です。

 

もちろんプロジェクトを納期以内に完了させるというのはプロとして当然の品質要求だと思います。ですが、様々なことに影響されて必ずしもそうはならない場合もあります。自分ではコントロールしきれない外的な要因が発生することもありますよね。

 

Aさんは「想定外の問題はつきもの」ということを理解し、落ち着きを取り戻したようでした。そこからは、問題解決に向けて取れうる選択肢を洗い出して、メリット・デメリットを考えて関係者と一緒に選択をしていく形で進め、納期遅れは発生したものの、適切な説明ができたことで乗り越えることができました。

 

問題が発生したときこそ、それまでの経験量と今何をすべきかを考える思考力が求められるかと思います。そういったときの対応こそ、周囲からの見方が決まってくるのではないですかね。