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新宿で働くIT系プロダクトマネージャーが語る会社員の働き方・生き方

崖っぷちに追い込まれることの大事さ

社会人も13年目が終わろうとしています。

 

最初のキャリアは営業からスタートさせました。技術の組み込みの営業だったり、オンラインでライセンスを販売するオンラインセールス。これを5年ほど担いました。

 

その後、急遽ある新製品のプロダクトマネージャーを任されることになりそれを4年ほど。その後も別の製品を担当しながら、マーケティングチームのマネージャーをやったりしました。プレイングマネージャーってやつです。これまた4年ほど。

 

今思えば、いろんな経験をしてきました。会社勤めですから必ずしも自分のやりたいことばかりではないですが、それでも自分の意見をはっきりと述べることのできる恵まれた環境で仕事をしてきたと思いますね。同時に、最近プレイングマネージャーとなってからは、ひとつ何かに向かって集中して仕事をすることが難しくなってきました。当然ですが。

 

プレイングマネージャーというと、いろんなことに首をつっこむ必要があります。自分が担当している製品をいかに最高のものに仕上げるかということはもちろんのこと、部下の育成、部下の担当製品へのアドバイスや補助、採用など。

こうなってくると、結構「できること」にすがってしまって、新しいチャレンジをしにくくなってしまうんですね。私の心の弱いところです。

 

どういうことかというと、例えば自分が担当している製品に関して、ただ使い勝手を向上させるだけでなく、うまくユーザどうしがコミュニケーションをして拡散してもらうような仕組みを導入していきたいとしましょう。これは従来経験のない取り組みとしましょう。こういった新しい取り組みをするのはかなりの労力が必要です。ユーザに拡散したいと思ってもらう動機付け、仕掛け、そしてそれを実際に実現する仕組みが必要です。これをうまくデザインしていく必要があります。

一方で、部下の持っている製品もこれまた重要な製品で、そっちはそっちで違うチャレンジがあったりします。ですがそのチャレンジは、我々にとっては経験済みのチャレンジで、適切にアドバイスをしながらリードすれば実現可能性が高いものとしましょう。

 

この時、後者に時間を割きすぎてしまって、前者が実現できなくなってしまうことが発生してしまったら問題です。そして、「自分の製品については計画通りの進捗とは言えないが、部下の方については上手くいきました」なんてアピールし始めたら成長ストップの始まりです。

 

本来であれば、期待されている役割としては自分の担当しているものを全うすることはもちろんのこと、それに加えて部下の製品も成功させてやらなければいけないわけです。ですが、何かひとつできなくても、何かができたことにより、若干の達成感と、若干のアピールができてしまうことが成長を妨げます。

 

自分が社会人になって最初に営業としてお客様を持ったとき、もうそのお客様と最大限ビジネスをしていくしか仕事がなかったのでそこに最大限集中して努力しました。お客様の会社のことを徹底的に調べあげ、いつも行っている営業先の方とできるだけ仲良くなる、そのために芸も磨きました。

その後初めて、プロダクトマネージャーとして製品を持ったときも同様です。開発チームが海外だったので英語を使いますが、英語がまるでできなかったので毎朝毎晩オンライン英会話をやっていましたし、プロダクトマネジメントをイチからやって自分の価値を最大限に発揮しようと思っていました。

これらは、自分が担当している分野がひとつであり、それをやらなければ自分の意味がないというように崖っぷちに立たされていたことによる原動力です。

 

色々と手を広げると「あっちがダメでもこっちがある」となり、こっちはダメでもあっちがあるといったように甘えが出てしまいがちになります。

これはこれで、企業の人として会社に張り付いて勤め上げたいという人には必要なことかもしれませんが、成長速度を犠牲にします。

何かの腕を磨き続けてプロフェッショナルになっていきたいとするならば、ひとつ軸を定めてそこに徹底的に集中してルーティンとしてこなせる環境を作る必要があります。

 

特に若い世代はこういったことをやりやすいと思いますので、いろんなことを広く浅くやるのではなく、ひとつのことに集中して深くやる環境(崖っぷちの環境)にできるだけ身を置いていくのが良いと思いますね。

 

私も少し環境を見直さなければいけない時期に来たかもしれません。