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新宿で働くIT系プロダクトマネージャーが語る会社員の働き方・生き方

「売れりゃいい」ってそりゃなんのために組織分けたんだ

製品マーケティングを担当するためには、あらゆる方面の知識と経験が必要です。

マーケティングの基礎知識はさることながら、当然、その製品を誰にどう買ってもらうかを実現するために、販売流通経路の仕組みや、そこに関わる関係各社間の力学、販売を仕掛けるためにかかるコスト感などなど。

これは製品が誰向けかというよりも「どこでどのように買ってもらうか」により依存する、マーケティングを考えるにあたって最も重要なポイントです。

例えば、先日歯医者に行った時に、受付に歯ブラシが売っているのを見かけました。

あれを見かけた歯ブラシメーカーの人が、「当社もあそこに置いて、買ってもらう仕掛けを作るんだ!」とか言ったところで、その受付に置いてもらうためには、そこで推奨されるための機能はもちろんこと、置いてもらうためには誰にどのような交渉が必要で、一般的にどれくらいのマージン構造になっているのかを把握しておかないと、「やること」を目的にしてしまうと、自社の強みが活かせないかもしれないし、利益構造が崩壊するかもしれないし、さらに言えばそこで販売することによって、他の流通会社がへそ曲げることだってあるわけです。

つまり、「製品マーケティング担当者」とは言っても、間違ってはいけないのは、その担当者はあくまで製品のプロであって、必ずしもチャネル構造のプロではないわけです。

一般の方々に多く普及させるために、スーパーやドラッグストアに展開するためのナレッジ、ポップ作り、条件面の交渉はできたとしても、歯医者さんの受付に置いてもらうのは全く違うことをやることになるわけで、今までスーパーでやってきた担当者に、いきなりそんなこと言っても、できないことわからないことだらけなわけです。

本来であれば、そういったチャネル別にプロがいればいいのです。

製品に関しては製品のプロが説明をしに行けば十分で、どちらかというとそこで売るための仕掛けを作るのに時間がかかるわけなので、そこはそこでプロを召喚すべきなわけです。

それを誤って、「売れりゃいい」なんてロジックで、製品マーケティング担当者に「どこでもいいから行ってこい」なんて言ってしまうと、多くの時間を無駄にすることになります。

そこに気づいていない組織構造になっているケースがどれだけあることですかねー。