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新宿で働くIT系プロダクトマネージャーが語る会社員の働き方・生き方

テレワーク環境を少しアップグレードしました

昨年の春にリモートワークが始まり、こんな記事を書いていましたが、その後も続々とアップデートしています。

 

larrymaster.hateblo.jp

 

今はこんな感じになってます。 

 

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あれからこんなものを揃えました。

○椅子:オカムラ「シルフィー」

○スピーカーマイク:Jabra Speak 410-FOR-PC

○モバイルモニター:hoyaliro 12.5インチ

 

椅子はもともと部屋の雰囲気に合わせてデザイン重視で選んでいたのですが、1日10時間など座っているとどうしてもお尻が痛くなるのが悩みでした。ある日オフィスに出社して、1日仕事をしていても腰やお尻の疲れが全然違うことに気づき、、これが椅子の違いか、、ということでオフィスでも使用しているものと同じものを買うことにしました。結構大きな買い物ではありましたが、やっぱり全然違う…。1日中仕事していても全く疲れません。これは昨年買って一番よかったものですね!

 

次にスピーカーマイクですが、ヘッドホンを長時間するとどうしても髪型が乱れたり、耳が痛くなったりするので、一人で部屋に籠っているということもあってスピーカーマイクに変えました。USB給電なのでバッテリーなども気にすることなく、快適です。

 

最後にモバイルモニター。仕事ではSlack, Zoom, Outlookなどのコミュニケーション系のツールや、TrelloやJiraといったタスク管理系のツール常に表示しつつ、自分の作業を行う必要がありますが、モニター2枚だとどうしても画面の切り替えが面倒です。2画面にこれらをおさめ、1枚を作業用にして集中するようにしました。

 

配線がまだ汚いのが気になるなあ。

 

 

Jabra スピーカーホン SPEAK 410-FOR PC [並行輸入品]
 

 

 

コロナ禍のトレーニング指導

2020年の4月に緊急事態宣言が発出され、当時我々の運動部も集合しての練習ができなくなってしまいました。

シーズンの大会は主に4月から11月にかけてなので、その時点ではシーズンがどのようになっていくかまったく検討がつきませんでしたが、目指している大会はあるものとして、リモートでのトレーニングや指導を余儀なくされました。

 

団体競技で集まれないことは、チームプレーを作るのにあたっては致命的な状況です。特に心配だったのはチームメンバー間の関係が薄れていってしまうことと、メンバーの間で切磋琢磨して高めあっていたような雰囲気がなくなってしまうことでした。

そのため、個々人の体力面のトレーニングをするだけでなく、チームメンバー間の関係や、一定の負荷でトレーニングをする習慣を失わないよう、Zoomを使った共同のサーキットトレーニングをしたり、まずは全体で挨拶をしてから各々のトレーニングに入るなどの取組を行いました。これによって、場所は違うけれども、一緒にいる感覚をバーチャルながら再現できたのではないかと思います。

 

また、メンバー間が切磋琢磨するのに重要なのが、「あいつあれだけ頑張ってる!」という空気を感じる場作り。普段であれば自ずと周囲の活躍を見ていると感じられるものですが、リモートだとなかなかそうはなりません。ここについてはSlackを導入して、それぞれが練習記録を書いて、メンバー間がお互いにオンラインで見れるようにしました。Slackにはスタンプといって、誰かが書いたコメントに周囲の人が簡単にリアクションを残せる機能がありますが、見ている限りでは刺激しあえているかと感じます。

 

指導についてもオンライン化を進めました。ミーティングはZoom、指導のためのファイルの共有もDropboxを使うなどの工夫をしました。ここについては、現地にいって時間をとってミーティングをしていたよりも、むしろ効率的に時間を使えるようになったと感じます。

小江戸・川越散策

先日、小江戸・川越の街を散策してきました。

天気も良さそうだったので、少し車を走らせたいな、、ということで。

場所は関越道川越インターを降りて15分くらいのところです。

 

農協さんが運営しているという、観光用の無料駐車場に停めて3〜4時間くらいいました。

 

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まず最初に行ったのは川越氷川神社


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鯛のおみくじがありましたよ。

お祭りの屋台にあるようなヨーヨー釣りのコヨリで好きな鯛を釣り上げると、その中におみくじが入っているというのです。インスタにあげている人も多いですね。


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そのあとは小江戸散策ということで、氷川神社から徒歩10分くらいのところにある駄菓子屋横丁へ。昔ながらの駄菓子屋さんが健在で、懐かしかったです。

小学生の頃、200円くらい持って、友達と自転車で駄菓子屋さんにいった思い出があるのですが、まさにそのときの駄菓子屋さんのイメージそのままでした。


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どうもこの街はサツマイモが有名だそうで、お芋を使ったお菓子や、料理屋さんが多かったです。サツマイモソフトクリームなどもありましたが、芋けんぴもそのひとつ。小腹が空いたので、右門さんでいただく。揚げたてのサクサク、お芋の香りもしっかり。


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その後もしばらく歩く。


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スタバも町並みに合うように改装されていましたね。


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林屋さんでうな重ランチ。

この街はうなぎも有名なんだそうです。

少しお値段はしましたが、せっかくここまでドライブに来たし、、ということで注文。

そしてこれが大正解!口に入れた瞬間ふわふわのトロトロ。ボリュームもしっかりあるのに、タレがしつこくなくてご飯にもぴったり合うので、食べ終えてしまうのが惜しいくらい、食べ始めから最後まで楽しむことができました。


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お土産に亀屋さんで亀どら焼き〜。

あとはクラフトビールであるCOEDOビールを買いました。


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京都の街みたいに、着物や浴衣を着て散策している人も多かったです。

すごい大きな街というわけではない分、都心近郊に住んでいる方の、ちょっとした日帰りドライブに良さそうですよ。リモートワークがずっと続いて外出機会が減っている中、良い気分転換になりました!

「買いたいか」調査ほどの無駄はない

何か製品を企画するときに、市場調査のデータを求められることが往往にしてあります。

 

ある30代向けの製品のコンセプトを描き、そのコンセプトに対して調査で30代の人がどれくらい「買いたい」と言うかどうかを調べ、80%の人が「買いたい」と言っているからこの製品はいけます、、というものです。

 

このようなやり方は結構お金と時間がかかるのですが、実は実際に市場のウケを計測するのには効果的ではないことが経験上多いと思っています。

 

理由は簡単です。「買いたい」という気持ちの強さが測れないからです。「ないよりはあった方がいい」程度の人も「買いたい」方向に振れます。これをできるだけ回避するための調査のやり方として「すごく買いたい」、「買いたい」、「どちらかといえば買いたい」というような分類で見ていくこともありますが、だいたいどれも現実よりも高く出ます。

アンケート調査は一瞬の判断による回答なので、少しでも「欲しいな」と思ったら「買いたい」方向の回答をすると思いますが、実際に買うかどうかは別です。「欲しいけど実際には買わない」理由はたくさんあります。

例えば「欲しいけど、デザインや色が微妙」、「買いたいけど、今他に欲しいものがあるから実際そこまででもない」、「買いたいけど、置き場所がないな」などなど。

 

とても自然なことだと思いませんか?

誰でも「買いたいけど買っていないもの」はたくさんあるはずです。

いくら「買いたい」と思っていても、「買わない」という選択をされているうちはその商品は負けているわけです。

 

そのような調査よりも、実際の人の声を集める方が大事です。

 

・まず、様々な人から話を聞いて、特定の人の課題の仮説を持つ

・「同様の課題を感じている人がどれくらいいそうか」は調べても良い

・その課題を解決する製品・サービスのコンセプトと価格イメージを決める

・課題を感じている人に対面・あるいは電話などで直接お話をうかがい、なぜそういった課題を感じているのか、解決策としてどのようなことを考えたか、コンセプトのアイデアに対してどう思うか、を訪ねる。(プロトタイプがあるとベスト)

・そのフィードバックをもとにコンセプトをブラッシュアップする

・ターゲットとなる世代などの人を無作為に10名ほど集めてきて、再度、対面や電話でお話をうかがう。この際は多少なり動くものが見せられるとベター。

 

このような流れで進めていくと、実際のお客様像もクリアにイメージできるようになり、自分のアイデアにも自信が湧いてきます。

 

最も大事なのは「課題は何か」と「その深刻度」です。さらに、「同じ課題に対して深刻に思っている人がたくさんいればなおよし」ということだと思います。「買いたいかどうか」ではなく、課題に対してどう思っているかを掘るのが最も大事です。

 

その上で、それを解決できるソリューションがうまく組み上げられるか、良さを伝えられるかはまた別の課題です。ここにも落とし穴があり、ここで死んでしまっている製品も世の中には無数にあるのではないかと思っています。ただ、繰り返しですが、そこで戦う以前の話として、しっかりと課題と深刻度を捉えることが大事です。

 

「買いたい」調査が役に立つとすると、社内調整のエビデンスとして意思決定者にうまく納得してもらうシーンですかね。ただ、これはあくまでそのためのものであって、その調査結果を見ていると、自分もいける気がしてきてしまうのですが、決してそれが真実だと錯覚してはいけません。進めたい気持ちやそのためのプロセスと、計測すべきポイントは分けて考えましょう。

やりたくもないことに全力だった日々

プロダクトマネージャーという仕事を始めてから、本当にたくさんの失敗と悩みを抱えてきました。

なかなかうまくいかない、お客さんに刺さった機能や製品を提案できない…。プロダクトマネージャーにとって自分の担当している製品が普及しない時ほど残念なことはありません。

 

長い間悩み続けていたのですが、その「失敗と悩み」の主な原因は「自分がやりたいこと」や「会社として本来やるべきこと」と離れてしまったことによるものだとある日に気付いたのです。

 

私はプロダクトマネージャーという仕事をする以前は営業職をやっていまして。

販売パートナーさまを担当し、売り上げを達成していくという仕事です。5年ほどやっていましたが、毎年目標達成をしていました。

営業の仕事はいたってシンプルでした。「担当している販売パートナーさまの叶えたいことを聞き、それに応えていく」というものが基本でした。もちろん販売パートナーさまが言っていることをそのまま聞くのではなく、かなえたいことを聞き出し、考えられる成功要因に対して議論を重ねてアクションにしていくことが重要です。それができれば上司との合意は決して否定されることはありませんので、周囲が協力してくれる環境も作っていくことができました。

それで成功体験を得られると自信もつき、またチャレンジをする…この頃は「自分のやりたいこと、会社としてもこうやるべき」ということを比較的リズムよくやれていたと思います。

 

一方で、プロダクトマネージャーとなると少し話が違ってきます。

営業はいち営業ですので、何十名、何百名もいる中の一人です。プロダクトは、そういった営業が取り扱う商材のひとつであります。

商社ではなく、ソフトメーカーとして新たに何かを作っていく場合、どの事業領域のどういった製品カテゴリに投資をするかというのは会社の生死を分けます。なぜなら1つの製品を作るのに、多くの人がかかわり、莫大なコストがかかるためです。ひとつのアプリを作るのにも、少なくともエンジニア、デザイナー、マーケティングは必要です。

しかもアプリなどだと定期的に更新が必要です。ずっと使ってもらうためという側面だけでなく、ガイドラインに沿ったセキュリティ対応など強制的に対応をする必要があるものもあります。会社としてのブランド価値を下げないためにも、ダメだったらすぐやめる、、ということは通常とるべきではありません。ある程度人的コストをかけ続ける必要があるのです。

 

したがって、製品の方向性を決めていくには多くの経営判断が入ります。ここが営業職と大きく違うところです。

私がつとめる企業では経営層は50代〜60代の方が多いです。様々な経験をされていて、過去にたくさんの失敗も重ねてきた方々だろうと思います。こうした方々から、製品の実績に対して色んな「批判」を受けることもあります。

ですが、本来はそれをアドバイスやひとつの指摘ととらえるべきだったと思っています。「批判」と捉えた私は、経営層の方々に気分良く支援をしてもらうための情報集めや、エビデンス作りなどに時間を使ってしまい、いつしか、「みんなが気持ちよく合意できること」をやるようになってしまっていました。

 

例えば「そのようなプロモーションの仕方をしたら、コストに対しての収益があがらないだろう」と言われたら「では、より効果が見込めるものを再考してきます」といったもの、「こんな機能があったらお客さんにうけるんじゃないか」と言われたら「確かにそうかもしれないですね、そういう声も過去にありました」といって少ないユーザの声をあたかもたくさんあったかのようにして応えてしまうなど。

 

本来は、お客様にとって本当に価値のあるものを定義し、うまく流通していくための仕掛け作りにこそフォーカスすべきであり、それが「私のやりたいこと」であり、「会社として本来やるべきこと」であります。

加えて、将来の展望をきちんと描いて、そこに向かうために今何をするべきかという視点が必要で、その場その場で点で議論をしてしまうと、その場の議論にしかならず、「結局何をしたかったんだっけ?」と離れてしまうことになります。

 

さらに、大事なことは「市場が将来どうなっていくから製品はこうなっていくべき」という観点です。「ユーザは現時点で何を期待しているが、将来こういった期待が考えられるからこうなっているべき」という洞察、それに応じて「販売パートナーがユーザの期待に答えようと変わってくるから製品は彼らが売りやすいような形になっていなければならない」といったような想像です。

 

このあたりを念頭において、経営層とも適切にコミュニケーションを取れる必要があります。適切に、、とはマイルドな書き方ですが、「だからこうするべきだ」と強く押し切るくらいの気持ちでいかないとプロダクトは運転できません。経営者のやりたい方向に運転をさせられてしまいます。

 

プロダクトマネージャーは、周囲とのコミュニケーションの仕方を誤ると「レールを敷いてもらってそこを行く」形になってしまいます。「自らレールを敷く方向すら決めて、敷きながら進んでいく」方が絶対に楽しいです。

 

色んな人に色んなことを言われる仕事ですが、気持ちを強く持って頑張れればと!

プロダクトマネージャーになると心が広くなっていく

何を隠そう、私の職業はプロダクトマネージャーというものです。

プロダクトマネージャーって仕事の響きからするとかっこよく聞こえませんかね?

私は過去そう思っていました。

 

社会人になりたての頃、プロダクトマネージャーといえば、多角的な知識と視点を持っていて、社内中のいろんな人と適切にコミュニケーションをとっていて、担当製品について意思決定をするリーダーで、膨大な量の仕事をこなす、ちょっと別格な仕事に見えていました。

 

私はもともとその職種を目指したわけではないのですが、事業を運営できるようになりたいと思っていて、その願いを考えた先にプロダクトマネージャーという仕事に就けたという流れです。もう約10年ほど前の話です。

 

ちなみに事業をやりたいなら自分でやればいいじゃん…という発想ももちろん世間にはあって、それを時たま指摘されることがありました。

しかし当時の自分には技術力も人脈もなかったので、会社の様々な方々のタレントを活用できて、お金も出資してもらえて、キャリアにもスキルにもなるプロダクトマネージャーという選択肢は自分にとっては良い道だと感じていました。

 

そんな背景でプロダクトマネージャーという道を歩み始めた私ですが、そこで求められたリーダーシップ像は当初想像していたものとは少し違いました。

 

一応、外面的には以下のような感じですよ。

 

○製品で解決できるお客様のニーズを要件として明確化する

○担当する製品の仕様について意思決定をする

○製品が目指すビジネスの方向を明らかにし、ビジネスモデルを作り上げる

 

めちゃくちゃかっこよくないですか?

言ってしまえばその製品の社長ですよ、社長。

冒頭にも書いた通り、製品に関するあらゆることを熟知していて、バシバシっと物事を決めて周囲を動かして道を切り開いていく…そんなイメージでした。

 

ではこれに対して、現在実際に仕事をやっている実態はどうかというとこんな感じです。

 

○製品で解決できるお客様のニーズを要件として明確化する

→私:「こういうニーズがあると思われるので、実際どうかちょっと調査の相談にのってくれないかしら?」

→リサーチ担当:「いいですよ、やるとしたらこういう観点から見ていくのが良いかもしれないですね。ちなみに調査費予算30万円以内ならできますので、こんなやり方です。」

 

○担当する製品の仕様について意思決定をする

→私:「こういうお困りごとを解決したいので、技術的に解決できるアイデアはないかしら。」

→エンジニア:「2つアイデアがありますよ、1つ目はよりよいですがちょっと時間がかかります、もう一方は少しユーザビリティが微妙ですが来週にはできそうですね」

 

○製品が目指すビジネスの方向を明らかにし、ビジネスモデルを作り上げる

→私:「以上、ユーザニーズと技術的な観点から製品としてはこちらの方向に向かわせることと、昨今の市場の背景からこのようなビジネスモデルにて収益をあげていこうと考えています」

→経営陣:「それもあるけど、もっとこういうやり方もあるんじゃないのか?」

 

おわかりいただけただろうか。笑

そうです、製品のプロフェッショナルなので自分に責任はあるのですが、みんなの意見と事情を汲んで、一緒に作り上げていくというシーンがめちゃくちゃ多いです。

 

この職種に就いたとき、当初勘違いしていました。

「プロダクトマネージャーは製品に対して責任を負わなければいけないし、うまくいかなければ立場が危うくなるし、なんとか成功させなければならない」そういうメンタリティで、「みんなはなんでも言うことを聞くべきもの」と思っていました。なんならちょっと上位職くらいの印象に捉えていました。

 

もう少しわかりやすく書くと、当初のコミュニケーションスタイルはこのような感じです。

 

○製品で解決できるお客様のニーズを要件として明確化する

→私:「こういうニーズがあると思われるので、調査をお願いします。(そちらの都合は知りません、結果が欲しいです)」

 

○担当する製品の仕様について意思決定をする

→私:「こういうお困りごとを解決したいので、こうやって解決したいからこう作ってください。(こうなっていればお客さんは良いはずだから、エンジニアはそれに従って作ってくれさえすればいいんです)」

 

 

「なんとか成功させなければいけない」というメンタリティは決して誤ってはいないのですが、今思えば成功に向かっていくための考え方が誤っていたと思っています。結果的に、それはコミュニケーションのスタイルに現れていたと思います。

 

上記のようなコミュニケーションスタイルだと、自分が発想できたことが限界になります。つまり自分の限界が製品の限界、ビジネスの限界になってしまいます。

いかに、自分の限界を認めて、周囲のプロフェッショナルにアドバイスをもらってひとつひとつ意思決定をしていくかが大事です。それによって、多角的に検討された製品仕様になる上、社内的にも「みんなで作ったもの」という意識が芽生えてチームの結束力があがったり、みんなが製品のことを好きになってくれたりします。

 

「製品は自分のものだ」と思い込んでしまうとなかなか至らない発想です。ここはプライドが高い人ほど気をつけなければならないと思います。

 

もちろん、みんなの意見を聞いてそれを集約させる、、というだけではダメだと思っています。各プロフェッショナルの話を聞くのに十分な知識を継続的に勉強して身につけた上で、意見を自分で消化して、自分なりのオリジナリティを出していく必要があります。そこにこそプロダクトマネージャーの価値のひとつがあると思っています。

 

このあたりは私も何年か経って気づいたところでした。

プロダクトひとつ育てていくために、プロダクトマネージャーとしてスキルをどうやって高めていくかを私なりに考えてきましたが、それは同時にリーダーシップがどうあるべきか…というのを考えさせられましたね。

 

製品がお客さんに受け入れられるものになっていくためには、まずは社内で関わる周囲の方々から信頼を獲得して、意見をもらっていけるようになる必要があります。一人の考え方で全てうまくいくなんてことはないでしょう。

 

逆にみんなと作っていけると自分も製品に対して自信がついてきますし、気持ちも楽になってきます。

 

プロダクトマネジメントを志している方はぜひこのあたりを見つめられるといいかなと思います。

プロジェクトはリスクが前提

若手の部下メンバーのAさんにプロジェクトをひとつお願いしていたんです。

ある日に、想定していなかった問題が発生し、プロジェクトが計画通りいかないことが見通されることになりました。プロジェクト納期も残り1週間というところで、問題解決のためには2週間程度かかるという事態です。

 

Aさんはとても悔しそうにしていました。

実際に発生した問題は想定しようと思えば想定できたかもしれませんが、少なくとも私と二人で事前に計画を立てていた段階ではあげられなかったリスクでした。そういう意味では次回以降に向けた反省点はありますが、今の時点ではそこが限界だったと認めざるを得ないと私は感じていました。

 

Aさんは想定通りに進まなかったことに対して苛立ちを募らせたようで、感情が少し負の方向に行ってしまい、再計画に手がつかない様子。

話をしているうちに気づいたのですが、「発生してしまったこと」にずっと引きずられているようでした。「プロジェクトに想定外はつきもの」という前提がまだ身についておらず、「発生したことはそれはそれとして、次どうするか」に切り替えられないようでした。

 

何か問題が発生した時、まずやるべきは「火消し」です。

私も若い時は、何か問題が発生した際にはまず「なぜこの問題が発生してしまったんだろう」、「構造的に何か問題があったのではないか」という点を考えたり指摘したりすることが大事だと思っていました。

それは悪いことでは決してないです。構造思考は大事で、次回以降の反省には大いに役立ちますのでむしろ必要なことです。ですが、今目の前で発生している問題をまず片付けないことには、そんなことを考えていても前に進めません。火事が起きてしまったときに、避難もせず、消防を呼ばずに、「もう寝タバコなんてやめよう」と考えているだけの状態です。

 

もちろんプロジェクトを納期以内に完了させるというのはプロとして当然の品質要求だと思います。ですが、様々なことに影響されて必ずしもそうはならない場合もあります。自分ではコントロールしきれない外的な要因が発生することもありますよね。

 

Aさんは「想定外の問題はつきもの」ということを理解し、落ち着きを取り戻したようでした。そこからは、問題解決に向けて取れうる選択肢を洗い出して、メリット・デメリットを考えて関係者と一緒に選択をしていく形で進め、納期遅れは発生したものの、適切な説明ができたことで乗り越えることができました。

 

問題が発生したときこそ、それまでの経験量と今何をすべきかを考える思考力が求められるかと思います。そういったときの対応こそ、周囲からの見方が決まってくるのではないですかね。